• 爆発的喜怒哀楽編
  • 必殺ケンカ言葉篇
  • 年寄愛好古語編
筑豊弁には人間の感情を鋭く表現する言葉がいっぱいあるとです。そげな爆発的喜怒哀楽表現言葉を集めてみたのがこの章なとです。
たまがる
びっくりする。
【使用例】
ああた。幽霊を見てくさ、わたしゃほんなごつタマガったばい。
【解説】
ある説によれば、タマガル=タマガアガルだそうで、びっくりした拍子に男性のタマタマが縮み上がることから来ているそうです。ほんなこつやろか? そしたら、女の人はタマガラれんやないね。
うっさい
まずい。味がよくない。
【使用例】
うわー、なんこのうどん、ウッセーで食べられんが。
【解説】
嘉穂郡、田川地区を中心とした方言。
ぶすばらかく
ふくれっつらをする。
【使用例】
なんね、ちょっと言うたぐらいでブスバラカイてくさ、すかーん。
【解説】
女の人は、あんまりブスバラカかんほうがよかですばい。フグみたいでから、見られまっせんもんね。
ほけんごつ
ぽけーとして、茫然自失の状態を表わす。
【使用例】
なんしよぅと、ホケンゴツしてから。他人が見たら笑うばい。/br>
【解説】
ちのダンナはいつもホケンゴツして、スカブラばっかりこきよります。
とぜねー
寂しい。
【使用例】
今夜はみんなが出掛けてしまって一人で留守番。とぜねー。
【解説】
嘉穂郡を中心に使われてきました。
ぞこぞこする
寒気がする。
【使用例】
風邪ひいたごとあるばい。なんかゾコゾコしよるき…。
【解説】
寒気がして背中ンあたりがゾクゾクする様子をよくとらえちょるでしょうが。
わきあがる
はしゃぐ、生意気な態度。
【使用例】
道端でそげんワキアガリよったら車にしかるうぞ。あんまりワキアガリよるとジヤシアゲルぞ。
【解説】
川筋には昔からワキアガリもんが多かごとある。
しょぼくれる
しゅんとする。元気のない状態を表す。
【使用例】
元気出さんか、パチンコで負けたくらいでショボクレるなよ。
【解説】
多分、しょんぼりするが訛ったとやないかと思われます。
はらかく
腹をたてる、怒る。
【使用例】
すかーんもう、うち、ハラカイちょるちゃき。そげんハラカキなんな、謝りよるやんね。
【解説】
中には標準語と思っている人がいますが、九州以外では100%通用しません
以前、「なめたらあかんぜよ!」という土佐弁が流行った。なかなか迫力のある言葉だなと思った。迫力という点では、どっこい筑豊弁だっちゃ負けちょらん!と突然方言になって、以下必殺ケンカ言葉篇の始まりー。
しまきあげる
その時々のニュアンスによって、意味は微妙に異なるが、通常は”痛めつける”といったほどの意味で使う。
【使用例】
きさん、たいがいしちょかな、シマキアゲルうぞ!
【解説】
怖いですねぇ、恐ろしいですねぇ。みなさん、シマキアゲラレンごと注意しましょう。
でやしあげる
これもシマキアゲルほぼ同じ意味で”痛めつける”といったほどの意味で使う。
【使用例】
昨日くさ、父ちゃんにデヤシアゲラレてくさ、たまらんやったきの。もうわるそはせんごとしちょこう。
【解説】
昔はよく父ちゃんにデヤシアゲラレよったもんです。最近の父ちゃんたちは、すっかり優しくなってしまいました。尚、単にデヤスという場合もあります。
じゃす
デヤスが変化したもので、意味は同じ。
【使用例】
人をなめよったら、ジャサるうど、こん!あるいは単に、ジャスきね!
【解説】
親しい間柄で、怒った様子を表わす時に使うこともあります。その時は、優しく使いましょう。ジャスばいあんた…。
ぼてぼていわす
これも”痛めつける”という意味だが、実際に肉体的に損害を与えるような場合に使用するようだ。
【使用例】
昨日、柔道の練習で先輩にボテボテされた(この場合は、しごかれたというほどの意味)。
【解説】
ボテボテの代わりに、ボトボトと発音する場合もあります。
くらす
殴る・叩く、という意味。くらしあげるとも言う。
【使用例】
なんしようとかきさん、へんなこつしよったら、クラサるうぞ!
【解説】
女の人でも、クラスばい!とか言う人がおりますもんね。東京のおなごは、ブツわよ!というそうです。
ケアグル
蹴る。
【使用例】
あんた、言いたいことばっかり言いよったら、ケアグラるうばい。
【解説】
ある人が、東京のワルソにインネンふっかけられた時、カーッときて「きさん、こん、ケアグラるうぞ!」ち大声でおらんだら、相手はビビレて逃げたそうです。しかし、言葉の意味がわかったんやろか?
ぶちまわす
ぶちのめすと同じ意味。”ぶち”はぶつ(打つ)の転用。
【使用例】
いらんこつばっかり言うき、ブチマワシちゃった。
【解説】
すごい迫力の言葉。顔を鬼んごとして使うと効果抜群なとです。
しまやかす
終わらせる。ケリをつける。
【使用例】
ぐだぐだ言いよったら、シマヤカスぞ。早よ、こん仕事シマヤカシて、遊びに行こうや。
【解説】
何かよくないことがあった時、シマエタという場合もあるとです。
だごんする
本来の意味で言えば、”ダンゴのようにする”だが、そこから意味が転じて”痛めつける”という意味で使うようになった。
【使用例】
生意気なこつばっかし言いよったら、きさん、ダゴンスルぞ!
【解説】
本当にダゴンサレたらたまらんですばい。そうばってん、なかなか想像力豊かな言葉と思わんですか? 
今ではあまり使われなくなった筑豊弁があるとです。言葉は生き物、生まれたり死んでしまったり、時代とともに変化したり…。以下は、じいちゃんばあちゃんの間でよく使われる言葉です。
さりむり
無理矢理。
【使用例】
こんな狭い所をサリムリ通ろうとするから脱輪してそもたろが。
【解説】
しゃんがむり、ち言う場合もあるとです。
いんま
今に。
【使用例】
そげなわるそばっかりしよったらインマにばちがあたるぞ。
【解説】
比較的標準語に近く、判りやすい方言です。
でぼちん
おでこ、のことであります。
【使用例】
あいた!デボチンにボールがマッポウシあたって、たんこぶのできたとばい。
【解説】
どことなくユーモラスな言葉だと思わんですか。
とちめんぼふる
めんくらう。
【使用例】
ひょこっと、大きな蛇が出てくるもんやき、トチメンボフったばい、ほんなこつ。
【解説】
こげな言葉使いよる人、今どきおらんでしょうねえ。
よがむ
ゆがむ。
【使用例】
あんたの性格、ちい-っとばっかりヨガンじょうばい。
【解説】
機密費の私物化、天下り、税金の無駄使い、何から何までヨガンジュウ!と思わんですか。
こすい
けち。
【使用例】
あん人達はコスイき。我がばっか、よかもん食べてから。
【解説】
コスイの最上級はコスッカラシ。
よんべ
ゆうべ。昨晩。
【使用例】
ヨンベは暑うて、寝られんやったばい。
【解説】
朝方のことはアサンガタち言うとです。またヨンベと同じ意味で、キノンバンち言うこともあるとです。
よこう
休む。また、横になって休息すると言う意味もある。
【使用例】
腰が痛うてたまらんやったき、昨日は仕事をよこうたとよ。
【解説】
名詞形は「よこい」。どちらも、今でも時々耳にする言葉です。
すったり
まったく駄目だ。
【使用例】
どげな、釣れたな? うんにゃ、スッタリやったばい。
【解説】
ギャンブルで負けたとき、スラレっしもた、ち言うけど、何か関係がありそう…。
ござっしょ
ございましょう。筑豊弁の丁寧語。
【使用例】
そこは暑うゴザッショ。こっち来て扇風機にあたんなっしぇ。
【解説】
むかし、野菜売りのおばさんが「野菜ヨゴザッセンかー」と、おらんで回りよんしゃたです。意味は「野菜はいりませんかー」です。
すらごつ
嘘。
【使用例】
あんた、うちをなめちょらせんね、スラゴツばっかり言うてから。
【解説】
スランバ、ち言う言葉もあります。これは本当の勝負じゃなく、勝負のまねごと、ち言う意味です。
ますぼり
へそくり。
【使用例】
父ちゃんの給料が安いきマスボリも出来んとよ。
【解説】
マツボリとも言います。